泥などの汚れがこびりつかず、自然の雨を受けるだけできれいになる「自己洗浄性表面」(self-cleaning surface)は、住宅の壁面や窓ガラス、車のボディ、最近では衛星放送用アンテナや太陽光発電パネルにも応用される重要な技術となっています。
自己洗浄性表面を大きく分けると、水に濡れたときに水滴を広げて薄い膜を作る「超親水性」と、逆に水をはじく「超撥水性」という二つの種類があります。この度 Journal of Polymer Science Part B: Polymer Physics に掲載されたレビュー論文は、後者の「超撥水性」表面を実現するための有力な方法として期待されている「エレクトロスピニング法」に焦点を当て、昨年出版された最新の論文を含めて同分野でのこれまでの研究を総説しています。
この論文はEarly Viewとしてオンラインで先行公開され、現在無料公開されています。
⇒ Sas, I., Gorga, R. E., Joines, J. A. and Thoney, K. A. (2012), Literature review on superhydrophobic self-cleaning surfaces produced by electrospinning. J. Polym. Sci. B Polym. Phys.. doi: 10.1002/polb.23070