リチャード・ヘック、根岸英一、鈴木章の三先生方が「有機合成におけるパラジウム触媒クロスカップリング」を理由に2010年ノーベル化学賞を受賞したのは、まだ私たちの記憶に新しいところです。このほど、この研究がノーベル賞受賞に至るまでに多くの研究者が積み重ねてきた貢献を歴史的に回顧するレビュー論文が、Angewandte Chemie International Editionに掲載されました。
1869年にCarl Glaserによって報告されたグレーサーカップリングから出発し、溝呂木・ヘック反応をはじめ研究上のブレイクスルーとなった多数の業績を分かりやすく整理しています。写真や図表も豊富に取り入れた、読み応えのあるレビュー論文です。
この論文は、Early Viewとしてオンラインで先行公開されています。(本文を読むにはアクセス権が必要です)
⇒ Johansson Seechurn, C. C. C., Kitching, M. O., Colacot, T. J. and Snieckus, V. (2012), Palladium-Catalyzed Cross-Coupling: A Historical Contextual Perspective to the 2010 Nobel Prize. Angew. Chem. Int. Ed.. doi: 10.1002/anie.201107017