代替エネルギー源として期待が集まる太陽電池ですが、現在主流となっているのは結晶シリコンを材料とするものです。一方、有機化合物を用いる太陽電池は、変換効率や耐久性の面で課題を残していますが、コストの大幅な引き下げが可能と考えられ、次世代の太陽電池の有力候補として研究開発が活発に進められています。Web of Scienceで”organic solar cells”を検索すると8千報以上の論文がヒットし、特に近年は論文の増加に拍車がかかっているそうです。
有機系太陽電池の中でも、高分子とフラーレンをベースにしたバルクへテロ接合型(bulk heterojunction = BHJ)太陽電池が特に有力視されています。ノースカロライナ大学チャペルヒル校のWei You助教授らは、このほどMacromolecular Rapid Communications誌に発表した総説論文で、このBHJ型太陽電池のための新しい高分子材料の設計にスポットを当て、最新の研究動向と課題・展望を論じています。
この論文は、Early Viewとしてオンラインで先行公開されています。(本文を読むにはアクセス権が必要です)
⇒ Uy, R. L., Price, S. C. and You, W. (2012), Structure-Property Optimizations in Donor Polymers via Electronics, Substituents, and Side Chains Toward High Efficiency Solar Cells. Macromol. Rapid Commun.. doi: 10.1002/marc.201200129
また、この論文については材料科学のニュースサイトMaterials Viewsでも紹介されています。
⇒ Materials Views - How to Enhance the Efficiency of Polymer Solar Cells