ChemSusChem誌の最新号(June 2012, Volume 5 Issue 6)は、微生物燃料電池(Microbial Fuel Cells, MFC)の特集号です。
微生物燃料電池は、微生物を触媒に用いて発電を行う燃料電池で、産業排水などをエネルギー源として使いながらきれいな水に変える、環境にやさしいクリーンな発電技術として注目されています。今回の特集号では、微生物燃料電池の研究開発に取り組む世界各国の主要な研究グループから論文を集め、生物学・電気化学といった科学的基礎、材料科学、システム工学、さらに応用可能性や経済的実現性など、同技術に関わる多様な側面をカバーしています。日本からは、東京大学大学院工学系・同先端科学技術研究センターの橋本 和仁教授、中西 周次特任准教授らの論文“Flavins Secreted by Bacterial Cells of Shewanella Catalyze Cathodic Oxygen Reduction”を収載しています。
■ 同号の目次はこちらです。
⇒ ChemSusChem - Special Issue: Microbial Fuel Cells
客員編集長を務めたUwe Schröder教授(独ブラウンシュヴァイク工科大学)のEditorialによると、微生物の活動から電力を引き出せることが初めて報告されたのは1911年のことで、これを微生物燃料電池の起源とみなせますが、研究が活発化したのは最近10年間のことで、それに伴って論文数もものすごい勢いで増えているそうです。
⇒ Schröder, U. (2012), Editorial: Microbial Fuel Cells and Microbial Electrochemistry: Into the Next Century!. ChemSusChem, 5: 959. doi: 10.1002/cssc.201200319 (無料公開)