サッカーの欧州選手権「ユーロ2012」はグループリーグが終了し、トーナメント準々決勝に進出する8強が決定しました。
ユーロ2012といえば、「母国ノルウェーが予選敗退したせいで時間があり余っている」という理由から、コンピュータと統計学的手法を駆使して優勝国予想を試みた研究機関「ノルウェー・コンピューティング・センター(the Norwegian Computing Center)」について当ブログでお伝えしました。 ⇒ 「ユーロ2012はドイツが26.8%の確率で優勝」ノルウェーの研究機関が統計学的手法で予想(Significance Magazineから)
彼らの予想の精度はどうだったのでしょうか? 彼らは各国の優勝確率だけでなく8強進出の確率も算出していますので、8強進出確率が高いとされた上位8カ国と、実際の結果を照合してみましょう。(彼らの開幕前の予想はデータが発表されていないため、データが公開された最も早い時点である大会3日目・6月10日の予想に基づいています)なお予想に用いられた手法の詳細は、上の記事をご覧下さい。
6月10日時点の予想による8強(カッコ内は確率) | 実際の結果 |
ロシア(94.1%) | 敗退(1勝1分1敗) |
ドイツ(88.5%) | 8強進出 |
スペイン(69.6%) | 8強進出 |
クロアチア(67.5%) | 敗退(1勝1分1敗) |
デンマーク(62.8%) | 敗退(1勝2敗) |
イングランド(58.6%) | 8強進出 |
イタリア(57.6%) | 8強進出 |
フランス(51.9%) | 8強進出 |
敗退した3カ国に代わって8強に進出したのは、チェコ、ギリシャ、ポルトガルです。この予想では大会3日目までに行われた試合の勝敗が考慮されていたため、開幕前の白紙の状態で予想するよりも容易だったはずですが、それでもなかなか当たらないものですね。ちなみに彼らの開幕前の予想では、2010年ワールドカップ準優勝の強国オランダを優勝確率17%(スペイン・ドイツに次ぐ3番目)、8強進出確率は67%と上位に評価していたそうですが、第1戦を失った後の6月10日の予想では進出確率が19%に急落、結果はご存知の通り3連敗で敗退でした。
これまでの試合結果を基に、彼らは各国の実力を再評価し、トーナメント準々決勝以降の勝ち残り予想の改訂版を統計学のウェブマガジンSignificance Magazineに発表しました。(チェコは既に敗退が決まったため、勝ち残り確率0%となっています)
⇒ Euro 20.12% revisited
これによると、優勝確率上位はドイツ(30.4%)、次いでスペイン(24.4%)となっていますが、どうなるでしょうか?