ChemCatChem誌から、近年産学両界で活発に研究が行われている「有機触媒」をテーマとした特集号が刊行されました。同号の客員編集長を務めたのは、タミフル全合成をはじめ有機触媒を利用した研究で数々の成果を収めている東京理科大学・林 雄二郎教授と、ボローニャ大学・Pier Giorgio Cozzi教授のお二人です。
⇒ ChemCatChem - Special Issue: Organocatalysis (Volume 4, Issue 7, July 2012)
お二人の客員編集長によるEditorial(無料公開)では、有機触媒を利用して成果を上げた取り組みのひとつとして、タミフル合成のための国際共同プロジェクトCATFLU.ORを取り上げて紹介しています。左の表紙に登場する丸メガネの賢そうな猫は、タミフルの超効率的な合成反応を起こす新しい触媒を表現しているそうです(CATalystだから猫というわけですね)。
⇒ Cozzi, P. G. and Hayashi, Y. (2012), Flowing and Vibrant Organocatalysis. ChemCatChem, 4: 887–889. doi: 10.1002/cctc.201200331
そのほか同号は、さまざまな反応における有機触媒の有効性について、最新の成果を伝える論文を多数収載しています。上の目次から、ぜひご一読下さい。